クリスマス、フットボール、そして猫じゃらし①
英国ではじめて迎えるクリスマス。
猫さんがきみにすてきなプレゼントを用意してくれていた。
監督としての歩みを、ブログを作ってまとめてくれていたのだ。
きみは心打たれる。
ベイカー街で拾われた猫の多くがそうであるように、猫さんもパソコンとスマートフォンを扱える。
だが、そうは言っても、まとまった分量の記事を書くのは大変だったはずだ。
肉球でキーボードをぱたぱたと打っている姿を想像すると、胸の奥からじんわりと、やさしくて温かなものが湧きあがってくるのを感じるのだった。
実は、それに混じって不安に似た感情もあったが、その正体については後で考えるとしよう。とにかく、まずは猫ブログだ。
内容は、シンプルで簡潔。
きみの半年のキャリアを時系列で追っている。
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・夏、ステキな猫との出会い
ロンドン・ベイカー街で、無職で途方にくれているきみを、いっぴきのすてきな猫が拾ってあげる。
・監督就任
2014年7月3日 イングランド6部リーグに所属するハイドFCの監督に就任(「新米監督と猫さん」参照)。パートタイム契約で、お給料は年間150万円程度。カル缶も支給してほしい……。
・はじめての記者会見
緊張してたね。BBC Radio Manchesterのアレックス・ファーガソンに「この仕事のどんなところに魅力を感じましたか?」と質問される。ん? アレックス・ファーガソン?
・歓迎試合(対ハイドU-21)
どうにか勝利! U-21に負けたらしゃれににゃらん。
・ありがたくない永遠の友達、ノルマくん
会長のジョー・キッチンから課せられたノルマは、リーグでは中位以上、FAカップでは予選3回戦突破。補強費は0ユーロ、給与予算は23万5000ユーロ(約3300万円)。ちなみに、メディアの予想順位は11位。
・開幕戦
オックスフォード・シティに勝利! マン・オブ・ザ・マッチは、2得点をあげたエノク・ムケンディ。観客は679人、天気は雨でした。
・けが人続出!
お疲れさま……(「猫さんへの手紙②~監督には2種類しかいない」参照)。
・開幕ダッシュ&監督賞
11戦無敗のチーム新記録。8月の月間最優秀監督はきみでした。ガーディアン誌にニュース載ってたよ。文中にTigersとあるけど、これはハイドFCの愛称ね。
・Sack, Sack, Sack! 恐怖のクビ切り予想
開幕してまもなく、QPRのハリー・レドナップ監督が解任。その後も驚くほどたくさんの監督さんがSack(「クビにする」の意)されたね。メディアもSack Raceレース(「次にクビになるのはだーれ?」という予想)とかやっていてこわいんですけど。……って、モウリーニョまで危ういんかい!
・アンダー世代の日本代表が優勝
きみの母国から良いニュース。U-23日本代表とU-19日本代表がともにアジア大会で優勝ですっ。この結果を受け、U-19日本代表はU-20ワールドカップに出場できることに。ちなみに、U-19の大会MVPはヴァンフォーレ甲府の若杉好輝、得点王は清水エスパルスの金子翔太でしたー。
・もっとやさしいキッチン
ケガ人の多さに音をあげて、会長のジョー・キッチンに直訴したこともあったね。意外に話のわかる人で、さっそくフィジオ(理学療法士)を増員してくれました。相変わらず表情が読めないけどにゃ。
・やっぱり試合はいいネ!
試合中の画像です。ホームスタジアムの試合。雨に加えて霧も出ているけど、見えるかにゃあ。……(ここでブログ読者のほうを向く)試合シーンはとても良いです。おもしろい。見ていてわくわくします。あちき的にはウイ〇ングイレブンとかよりフットボールっぽくて好きかも……。
次回に続くにゃっ!