猫街221b - Football Manager -

ゲーム、本、音楽や映画。そこに日常のささやかなできごとを絡め、物語仕立てに書いています。いまは「Football Manager」というゲームのプレイ日記が中心です。

どうして正座させられているかわかるよね

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きみは正座している。
グリニッジ天文台にほどちかい、れんが造りのフラットの片すみで。
きみの前には猫さん。
どうやらしかられているようだ。

「もちろん」と猫さんは腕組みして言う。「どうして正座させられているかわかるよね」
あ、はい。
そうこたえたあとに、きみは肩をすぼめて言いなおす。
いや、それがさっぱり……。
猫さんがまゆを八の字にする。「じゃあ、いまから聞く質問にこたえること。なにも考えず、即答で、思いついたことをそのまま言って」
うん。
クリスタルパレスと聞いて思い浮かぶもの。3つあげよっ」
3つ?
「かんがえないっ」
ええっと、ロンドンの南のほう。
「はい、つぎ」
水晶宮。万博の会場として作られたクリスタルパレス水晶宮)が移設されて、そのあとそのあたりの土地がクリスタルパレスと呼ばれるようになり、それがチーム名に……。
「ながい。つぎっ」
ええっと、ええっと。
「はいタイムアップー」
きみはうなだれる。猫さんはおおきなためいき。
「なさけない、なさけないよ。3つめに公式チア『ザ・クリスタルズ』をあげている時点で、もうね」
えっ、いや、あげてな――。

 「これからは、とっさにライバルクラブのなまえをあげられるようにならなければだめです。ミルウォールと、ブライトンと、チャールトン。おぼえておくこと」
きみは抗議する。
じぶんだって知らなかったじゃない。もらった資料にも書いてなかったよ。
「まあまあ、そんなにじぶんを責めないで」

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もらった資料。はげしいライバル関係にあるのは、ミルウォールとブライトンのふたつ。ここには書かれていないけれど、チャールトンともライバル関係にあるようです(テンションは低め)。ちなみにわれわれはチャールトンを目指してますです

猫さんがまだなにかにゃーにゃー言っている。
きみの耳にはとどかない。べつのことを考えはじめていた。
思い浮かべたのは、フットボール・サポーター・マップ。 
クリスタルパレスはロンドン南部の紫のぶぶん。
たしかにミルウォールの領域と接している。チャールトンはすこし離れているので、そのぶんライバル関係はうすいのだろう。ブライトンについては、まあ、おとなにはいろいろあるのだ。

2部の監督になってうかれていた。
でも、チャールトンの監督になるという目標からはとおざかったのかもしれない。
ほかのチームの監督に応募してはいけない、と契約書に明記されてしまったし。
いや、それよりも、試合まで1週間しかない。
準備をしなければ。

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さいしょの試合は4月1日、土曜日

対戦相手は、リーズ。監督には2種類しかいないリーズ・ユナイテッドである。
1週間でできることはかぎられている。
ハイドに途中就任したときとおなじ、チームの相互理解をふかめるトレーニングを組もう。
39試合を消化した時点で、クリスタルパレスは12位。
昇格するとやくそくしてしまったけれど、さすがに……。
でも、いい。さきの話はいい。
一歩いっぽ進もう。
まずはあした。会長やスタッフにあいさつして、選手と初顔合わせ
こころのこもったスピーチで、みんなのハートをつかまなければ。




(おまけだにゃ)
クリスタルパレスCheerleaders "The Crystals"のプロモーション動画。"Call Me Maybe"をカバーしています(クリスタルパレス公式Youtubeチャンネルからのシェアリンク)。

www.youtube.com