猫街221b - Football Manager -

ゲーム、本、音楽や映画。そこに日常のささやかなできごとを絡め、物語仕立てに書いています。いまは「Football Manager」というゲームのプレイ日記が中心です。

時間よとまれ、19歳、ルート化に挑戦

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時間がとまった。
午後4時17分を指し示す、時計のはり。
空中でぴたりと静止した鳥、カーブを曲がる途中で固まった車。
ソフトクリームを手にした子どもは、口をおおきく開けたまま、ぴくりとも動かない。
クロスを上げようとしたウィンガーも、タックルをしかけたサイドバックも、こっそり守備をさぼっていたフォワードも、完ぺきなまでに一時停止している。

風の音すら聞こえない、静寂と静けさ。
その中で、猫さんは猫じゃらし型スマートフォンをいじっていた。
首をかしげ、うんうんうなり、また首をかしげる。

猫さんが座っているのは、前回に引き続き、練習場のベンチのうえ。
そこに向かってまっすぐ歩いてくるのは、「契約延長のゆくえ、ウィルコ、アイラブユーなんだぜ」に登場したウィギンスだ。
おどろきの表情を浮かべる猫さん。
魔法で時間をとめた。たしかに止めた。止まったはずの世界をウィギンスは歩いている。
でも、おどろいたのもいっしゅんだけ。
ある意味で、魔法もひとつの「決まりごと」である。人間の社会と同じく、力を使うにはしかるべき手順や段取りが必要だ。自由であるようにみえて、やはりそれなりの制限はある。
ウィギンスは19歳。
若いということ。それは可能性であり、ひとつの力でもある。
決められたルール、こり固まった常識。若さはそれを思いもしない角度からあっさりと打ちやぶることができる。
だから、と猫さんは結論づけた。魔法という「ルール」が通用しないのもふしぎではない。
そう。19歳のことはよくわかっているつもりだった。
だって、スガシカオの「19才」いつも聴いてるもん。

「なにしてるんすか」
ウィギンスが聞く。世界が止まっていることについては関心がないようだった。
「ルート化(*)」と猫さんは答える。
「ルート化って、猫じゃらしを?」
猫さんはうなずく。
「このサイトを参考にやっているのだけど、なかなかむずかしいにゃ」

P-01Dのroot化に挑戦してみました (1)
http://kyoro205.blog.fc2.com/blog-entry-548.html
この機種はroot化が容易であり、初心者向けのツールキットなども用意されてるのでroot化やAndroidシステムの基礎を勉強するにはもってこいの機種かと思います。それに、この機種はコンパクトなのはいいのですが、内蔵ストレージが少ないのにプリインストールアプリがてんこ盛りに入っており、不要なものを削除しないと実用的に使用するのは困難です(一部引用)

「だめじゃんこの機種」とウィギンス。「ルート化しないとアプリの更新すらできないとか、どんだけ無茶なつくりだよそれ」
「猫でもできるかと思ったんだけど。途中でつまずいちゃって」
「ちょっと見せて。えーと、まずは(1)が準備編すね。必要なものをそろえる、と。それから(2)でじっさいにルート化。(3)でプリインストールのアプリを削除。ふーん。わかりやすいじゃないすか。つまずいてるの、どのあたり?」
「最初のページの『このフォルダにパスを通しておかないと不便です』のところ」
「そこからですか?!」

ここで猫さんは立ち上がり、ブログ読者――とくにこれからFootball Managerをはじめようとしている読者のほうを向いた。
こんな感じの猫なので、フットボールマネージャーをプレーできるようになるまで大変でしたにゃ。フェイスパックとロゴパック、それからJリーグデータをいれさせてもらったのだけど、すごく時間がかかったです。最初はなにもかも意味不明だったし、通信速度2メガしかないからダウンロードに20時間以上。そもそもSteamってなんですか、という……。
そういうわけで、これからいろいろ導入しようと思っている初心者の方にアドバイスです。
下記のサイトをがんばって読めばなんとかなりますです。

週末ジレンマ
必要な情報はここでほぼすべて得られるはず。ページ右上の「このブログを検索」を活用してください。
FM2015 & 過去FM ロゴ・フェイスパック導入解説
読むよりも動画で、という人はこちらもおすすめです。

これを乗り越えれば、Football Managerの世界があなたのものに!
あちきにもできたのだから、あきらめないで。
上記サイトの管理人さま、フェイスパックとロゴパックを作成してくださった有志の方々(sortitoutsi)、Jリーグデータを作成してくださったFootball Manager with Jさま。この場をかりてお礼します。ありがとう!
そう言って、猫さんはぺこりと頭を下げた。

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「貸して。おれがやってみますよ」
ウィギンスが猫じゃらしを受け取る。そのとたん、ふしぎな感覚が彼をつつんだ。
あれ、えっ、ちょっ、これ超ふさふさなんですけど。どーゆースマホだよこれ。ウケル。アップルもつぎこれ目指したら、っていうかこれ、そもそもUSBでPCとつなげなきゃだめでしょ。PCはどこ? えっ、本物はない? おれらがすわってるこのベンチがPC代わりなの? 魔法で変えたって、うわ、ほんとだし。ええっ、足の部分がハードディスクで、手すりがEnterボタンってどういうわけ?
10分間、持ち上げたり下にもぐったりしてベンチと格闘したあと、ウィギンスは宣言した。
「無理」
「19歳ならだいじょぶ」
「いや、だいじょぶとかそういうことじゃなくて」

にゃーだにゃーだ、にゃーかにゃーか。
しばらく猫語で言い合ったあと、沈黙するふたり。
つかれたのだ。
猫さんは遠藤保仁にしかられそうなことを言う。「また明日やろうかにゃ」
猫じゃらし型スマートフォンを軽く振ると、
ふたたび世界は動き出す。
鳥は空をはばたき、車はカーブを曲がり、子どもにはおおきなソフトクリームが待っている。
音が、風が、そしてフットボールが戻ってくる。

さあ、トニーの出番だ。
今シーズンの注目選手紹介が、いま(今度こそ)はじまる?


*ルート化
wikipediaによると「スマートフォンタブレットその他のAndroidデバイスユーザがAndroidサブシステム内で特権(rootアクセス)を取得する作業」。うーむ。